心の居場所


「はい。
お茶でいいか?」

私の目の前にお茶を出す。

「うん。
あ、お金…っ!」

私は急いでカバンの中から、財布を出そうとした。

「いいよ。
俺のおごり。」

そう言って、ニカッと笑う日向くん。

「ありがとう。」

日向くんからもらったお茶を飲む。

美味しい。

「日向くんいつからいたの?」

「んー、8時半過ぎにここにいたな。」

…8時半!?

「え?
そんなに早く!?」

「そっ。
それでなんか隣のベンチにいる子、悠奈ちゃんに似てるなーって思ってたら、悠奈ちゃんだし。
本当驚いたよ!」

え、じゃあ、あの隣のベンチで女の人に囲まれてたのって、日向くんだったのか。

「そうだったんだ…。」

「髪型がいつもと違うから、誰かわからなかったんだ…。」

少し照れくさそうに言う彼。

「あ、ってか悪い!
さっき彼女とか言って…。」

顔の前でごめんのポーズをする。

「大丈夫だよ。」

私が笑うと彼も笑った。

「よし、じゃあ行くか!」

そう言って、私の腕を掴み、走り出した。

「え、行くってどこに!?」

「水族館!」

眩しいほどの笑顔で彼は私を見る。