心の居場所


俺は扉の前でドアノブを触る。

ガチャガチャ

「閉じ込められたな。」

悠奈ちゃんの方を振り向くと、端っこにうずくまっていた。

「悠奈ちゃん…?」

悠奈ちゃんの方へ行こうとすると、

「これ以上こっちに来ないでください。」

と、低い声で言われた。

最初の頃と同じように。

「え?
なんで?」

訳が分からず聞き返す。

「私はあなたが怖いです。」

彼女は大きな瞳で俺を睨む。

「悠奈ちゃん。」

俺は彼女の腕にそっと触れる。

「いやっ!!」

悠奈ちゃんはその手を振り払い、俺に背を向けた。

「お母さん…。
拓海…。
助けて…。
お父さんが…、お父さんが…。」

「っ。」

悠奈ちゃんは震えていた。

俺は彼女をそっと抱きしめ、耳元で囁く。

「悠奈ちゃん。
お父さんはここにはいない。
大丈夫。」

悠奈ちゃんは安心したのか、俺の腕の中で眠ってしまった。