心の居場所


そ、そんなに大袈裟なことかな?

「俺らさ、高校入る前に会ってるの知ってる?」

「え?」

どういうこと?

「中3の時の夏。
バスケの大会で会ってるんだよ。」

「え、そう…なの?」

知らなかった。

「その時に見た笑顔がさ、忘れられなかったんだよな。
それで、同じ高校だって気づいて、声かけてもガン無視。
あれは、かなり傷ついたなぁ。
まぁ、理由知ってから、仕方ないとおもったけど。
それで、"俺が男嫌いなんて治す"って思ってさ。
どうしても、あの心からの笑顔を俺に向けてほしかったんだ。
それが俺の気持ち。」

そうだったんだ。

「日向悠星…。」

私がボソッと彼の名前を呟くと、彼は少し笑って、

「なんでフルネームなの。」

と、言った。

「え、あ、いや。
なんとなく…。」

戸惑いながらそう言うと、

「悠星。
悠星でいいよ。」

優しい眼差しで、私を見つめる。

「なら、日向くんで。」

彼は目をぱちくりさせ、すぐに笑った。

「あははっ!
日向くんでいいよ。
でも、そのうち悠星って呼ばせるから。」

自信ありげに言う。