心の居場所


「お前、昨日男といたよな?」

「え?」

なんのこと?

「いや、7時過ぎ頃さ、お前のこと駅の近くで見たんだよ。
一人だから危ねぇと思って声かけようとしたんだけど、隣に男がいたからさ。」

昨日の7時過ぎ?

「それ弟。」

キッパリと言うと、彼はなんだーと言って、ずるずると下に下がっていく。

「よかった。」

「え?」

彼の言ってる意味がわからなかった。

「俺が告白したとき、男が嫌いだからって言ってたけど、それ俺と付き合いたくなくて言った口実かなとか思ってたから。」

と、力なく笑った。

「そ、そんなことない!」

私は思わず大声を出してしまった。

「え?」

彼は少し驚き、こっちを向く。

「あ、え、えと。
お、男の人が嫌いなのは本当で、それを口実にあなたと付き合いたくないとかではなくて、その…。」

慌てていると、隣から吹き出す声が聞こえた。

「やばっ。
悠奈ちゃんおもしろすぎ!」

そう言ってお腹を抱えて笑っている。