心の居場所


それから、日向悠星は、一言も喋らずに黙々と作業を進めている。

私は日向悠星とは、ある程度の距離を置いて作業をしている。

あ、これは向こうの棚のやつ。

そう思い、向こうの棚に置きに行こうとした時だった。

ガタガタガタッ

上からいろいろな資料が入ったカゴが落ちてきた。

「いった…くない?」

恐る恐る目を開けると、私の上にかぶさった日向悠星の姿があった。

「…って。」

「!?
な、なななななにしてるの!?」

動揺して、うまく言葉が出ない。

「お前をかばったの。
怪我とかしてねぇか?」

そう言って、私の頬に手を添える。

「やっ!」

あ…。

私は思わずその手を払いのけてしまった。

「…わり。」

日向悠星は、少しだけ傷ついた顔をして、また作業に戻った。

なんで…。

なんであなたがそんな顔するの。

私の心は罪悪感でいっぱいになった。

「…ごめんなさい。」

小さく。

呟くような声で言う。

私の言葉に驚いたのか、目をまん丸にして、こっちを見た。

「え、あ、いや。
俺こそごめん。
急に触ったりして…。」

「大丈夫…。」

なんとなく気まずい雰囲気になる。

「なぁ。」

そんな中口を開いたのは彼だった。