6月の花婿にさよならを[短編]




そうして私は1人、爽ちゃんの住むアパートを後にした。



おめでとう、の一言も言えないままで…我ながら可愛くない妹だ。



爽ちゃんは、私なら誰よりも爽ちゃんの結婚を喜んで、祝福すると思ってくれていたから、あんなに嬉しそうに話してくれたのに…。



でも、仕方ないよね?



長い間片思いしてた人が、いきなり結婚するなんてさ…ちょっとキツいよ。



駅までの道のりである人気のない住宅街を歩くうちに、色んな思いが込み上げてくる。



…もっと早くに、好きだって伝えれば良かった?



私にもチャンスってあったのかな。



今の自分の位置が居心地が良すぎて、爽ちゃんとの幼馴染みの関係にすがってた。



下手したらこの関係が壊れてしまうかもしれない、って結果を恐れて、状況に甘えていたんだ。