私はいつから、爽ちゃんに恋をするようになったんだろう。
気がついたらもう、好きだったって感じかな。
名前の通り爽やかでかっこよくて、優しくて。
サッカー部のエースで頭も良くって、爽ちゃんは当然のようにモテモテだった。
中学生くらいの頃から可愛い女の子と一緒にいる所を見かけることも出てきて、その頃はまだランドセルを背負っていた私は、幼いながらに焦ったっけ…。
だけど爽ちゃんの恋愛は長続きすることがあんまりなくて、それは多分、爽ちゃん自身に恋愛感情っていうのが薄かったんだと思う。
女の子達はなかなか自分が求められていることが実感できなくて、やがて爽ちゃんから離れていった。
…そういうこともあって私は、何もしなくても傍にいられる、このポジションにい続けていたんだ。
幼馴染みの特権。
彼女でもないのに、こうして彼女以上に自然に爽ちゃんの近くで笑ってられるのが、とてつもなく嬉しくて。
そうしているうちに、爽ちゃんは本当に大好きになれる人を見つけてしまったみたいだ。