6月の花婿にさよならを[短編]




「ん?どうした?」



爽ちゃんが首をかしげて、私を見つめ返す。



私もその瞳をじっと見つめて、少しの間沈黙が流れた。



「…結羽?」



柔らかい声で名前を呼ばれる。



それだけで幸せな気持ちになってしまう。



「あのね…。」



私は、優しい笑みを浮かべながら向き合ってくれる爽ちゃんが、



軽口を叩きながらも、妹として大切にしてきてくれた爽ちゃんが、



ちょっとテキトーな所があるけど、真っ直ぐな心を持つ爽ちゃんが、



ずっとずっと…大好きだった。



…だからね、爽ちゃん。1つだけ、伝えさせて。



「…さようなら」



この気持ちを、ありがとう。



あなたに恋する気持ちを、ありがとう。



最後まで伝えられなかった想い…これは私だけの、隠し事にするね。