6月の花婿にさよならを[短編]




「爽ちゃんはまだ、恵さんのドレス姿見てないの?」



「あー、うん。どんなドレスを着るかさえ、お楽しみだからって言って教えてくれなかった。」



おかげでこっちはソワソワしまくりだよ、なんて笑ってみせる爽ちゃんに、そうなんだ、と頷く。



「…でもさ、女心としては、やっぱり一番綺麗になった自分を見せたいじゃない?

好きな人を、とことん喜ばせてあげたいんだよ。」



「うん、きっとそうだよな。伝わってる。」



私の言葉に幸せそうに頷いて、それから爽ちゃんは、ちょっとからかうような表情と声になった。



「それにしても、結羽が女心について語るなんてな。

お前もいつの間にか成長したもんだ。」



「えー、今更?」



軽く膨れてみせると、ほらやっぱり子供だ、と笑われる。



…でもね爽ちゃん、私はずっと前から、爽ちゃんに恋してきたんだよ。



だから私は、同じように爽ちゃんに恋する恵さんの気持ちを、きっとすごく理解できる。



可愛い自分を見て欲しいって…今だって思ってるもん。