6月の花婿にさよならを[短編]




やがて到着した式場は、まるで小説や映画に出てきそうな、ロマンチックな所だった。



丘の上に立つ教会からは、青い海を眺めることが出来て。



その海は太陽の光を受けてキラキラと輝きを放っている。



海と向かい合った空は、澄んだ青に白い雲を浮かべて、夏の訪れを感じさせた。



「…………………」



私は海を見下ろせる位置に立って、頬に潮風を受けながら考える。



爽ちゃんと恵さんは、こんな素敵な場所で結婚するんだ…なんて。



ウエディングドレスを着た恵さんは、きっととてつもなく綺麗なんだろうな。



今彼女はまさに準備中で、私のお母さんも含めた女の人達は、総出でドレスを着せたりメイクを施したりしているはずだ。



男の人達は…飲み物なんかが置いてあるラウンジに集まって、談笑してるのかな?



とにかく今こうして海眺めているのは私だけで、周囲には静かな時間が流れていた。