6月の花婿にさよならを[短編]




そしてその日は、あっという間にやって来た。



6月13日、爽ちゃんと恵さんの結婚式当日。



梅雨入りして悪天候の日が続いていたというのに、この日だけは、朝から日が出ていた。



天候も2人を祝福する中、爽ちゃんと恵さん、それぞれの親類が海辺の教会に集まることになっている。



私達一家は家系的には全く関係ないけれど、もはや親類同然の付き合いだ、ということで招待してもらった。



私はお母さんが買ってくれた、淡い黄色のワンピースを着て出席する。



足元は花のコサージュの付いた白のパンプス、行きの新幹線の中で髪を編み込んで、軽くメイクもして。



恵さんに対抗するつもりなんて、全くないけど…それでも今日は、少しでも可愛くありたいと思ってる私がいるんだ。