「恵さんは、雑誌の編集者をしてるの?
そんなに綺麗なんだから、自分がモデルになれそうなのに…」
「あはは、ありがとうございます。
でもそんなことないですよ。
あんな風に華やかな世界、私の性分に合わなさそうですし…」
「結婚式は、身内だけでやるのか?」
「うん、俺や恵の友達には披露宴って形で、後日やることにしてるよ。」
「いいわねぇ、恵さんのドレス姿、さぞかし綺麗でしょうに…」
お母さんとお父さん、爽ちゃんと恵さんの会話が弾んでいくのを、私はなんとなく聞いていた。
恵さんは見れば見るほど綺麗で、話せば話すほど知性的な人のように感じられる。
澄んだ声は柔らかで、笑顔も花が咲くみたいに可愛くて…本当に、魅力的な人だ。
そして、恵さんの話や結婚式の話をする時の爽ちゃんの、大好きな写真に没頭する時みたいにキラキラとした表情。
恵さんのことが大好きで、恵さんの爽ちゃんへの微笑みも恋をしていて、2人が幸せなことは一目瞭然だった。

![惚れてます、完全に。[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)