「ママ」
「どーした?」

「パパは死んじゃう病気なの?」

5歳の時に、聞いた。
泣きそうな顔で。

突然そんな質問がきたから
母も戸惑っただろう。

「死なないわよ〜(笑)誰がそんな死んじゃうなんて言ったのよ?」
苦笑いして、目に涙を溜めながら
母は必死に否定していた。

「さゆちゃんが、言ってた。病気になったら死んじゃうんだよって」
泣きながら言った。

「パパの病気はお腹の病気だからお薬飲めば大丈夫なんだよ!」
と母は作り笑いをして私を説得した。

そんな母からの言葉を聞いて
まだ幼かった私は安心して
幼なじみのさゆちゃんとあっくんと
遊びに行った。

その時の母の心情は
どんなだったのだろうか。
未だに聞いてないから
分からないけれど
きっと1人で泣いたに違いない。
そう思った。

私の名前は心。
私は、3人兄弟の真ん中。
4つずつ離れた兄と弟の
心平と心矢がいる。

父が大好きで、
ほんとにパパっ子な子供だった。

女の子1人だからワガママも
沢山言って、思い通りになるし
父さんも本当に本当に可愛がってくれた

私は、家族が大好きだった。
母の事も大好きで、
毎朝幼稚園に行くのが本当に嫌で

「ママがいいの!」と毎朝号泣で
幼稚園行くまでに毎朝バトルで
本当に大変だった。

弟の心矢が生まれたばかりで
嫉妬心などもあったんだと思う。

自分でもそこら辺は
よくわからないんだけど、
とにかく幼稚園には行きたくなかった

母と離れるのが本当に嫌だった。

できれば毎日母と家で、
のほほんと甘えていたかった。