「みこー、そろそろ帰るぞー」

 0時過ぎになって、酔っ払った尊のお父さんが僕の部屋にいる尊を呼んだ。

「俺今日泊まってくよ」

「おー、りょうかーい」

 直後、階段下で人が倒れる音がした。恐らく酔っ払ったお父さんだろう。

「親父、飲み過ぎだな」

 尊が僕に向かってはにかんだ。

「馨ー、手伝えー」

 下から父さんの声がして、仕方なく僕は立ち上がった。

 部屋を出る前に後ろから引っ張られて、振り返ると、尊が僕の服をつかんでいた。

「あんまり親父に触られんなよ」

「うん」

 僕は酔っ払った尊のお父さんを尊の家の前まで連れて行って、自分の部屋に戻った。