「みこ…と…?」

 尊が僕にキスをした…?

 どうして?尊も僕が好きだったの?

 頭の中がこんがらがって考えられない。

 尊は僕の鎖骨に触って、またキスをした。

 尊の手が体に触れるたびに、電気が走ったようにビクッとする。

 尊が僕のパジャマのボタンを外して、僕の体を撫でる。

 抵抗したいけど体が思うように動かない。

 ただはしたない声を出して身をよじることしかできなかった。

 尊の手がパジャマのズボンにかかったとき、脳が危険を察知した。

「や、やめて、ストップ」

 咄嗟に尊の腕を掴んだ。

 尊がヤケになってるのはわかってるから。

 一時的な感情でこれ以上道を踏み外してほしくない。

「なんでだよ、俺とこういうことしたかったんだろ?だからキスしたんだろ?」

「違うよ、さっきのは…慰めっていうか…」

「好きな人が落とせないなら俺でもいいと思ったのかよ」

「違うってば!そうじゃない!さっきのは…だから…」

「お前の好きな人って誰なんだよ!」

「尊だよ!」

 勢いに任せて叫んだ。

 これでもう戻れなくなった。