尊が部屋に戻ってきても、気まずい空気のままで、お互い話しかけることもなく、尊が先にベッドに入った。

 尊が寝た頃合いを見計らって、僕もベッドに入った。

 僕が壁側で寝たがるのを知ってるからか、僕のスペースを空けてベッドの端に寝てる尊は、やっぱり優しい。

「尊…寝てる…?」

 僕は尊の反応がないのを確認して、尊の頬に軽くキスをした。

 僕は後ろめたい気持ちを抱えつつ尊に背を向けて布団に潜った。

「おい」

 突然の尊の声に、背筋が凍った。

 尊が起きてた…。じゃあ、僕の行動も…。

「なんだよ、今の」

「ごめん…」

 尊の言葉に謝るしかなくて、尊と目を合わせるのが怖くて背を向けたまま何度も謝った。

 すると、尊が僕を仰向けにしてその上に跨った。

 尊は無表情のまま僕の唇と自分の唇を重ねた。