「うわあ、豪華ですね」
食卓に並べられた料理を見て、思わず感嘆の声が漏れた。
「馨くんが泊まりにくるのなんて珍しくて、張り切っちゃった」
尊のお母さんは笑顔で言った。
尊のお母さんはすごく美人で、世話焼きで優しい。尊のお父さんはすごくイカつい。
尊は外見は父親似で、内面は母親似だ。
「あれ?親父は?」
尊がイスに座って尋ねた。
「たぶん書斎にいると思うから、みこ呼んできて」
尊のお母さんは尊のことを「みこ」と呼ぶ。
僕もそう呼びたいと何度思ったことか。
「仕方ないなあ…」
尊は渋々イスから立ち上がって、書斎の方へ向かった。


