「今日、俺の家に泊まらないか?」
自転車のカゴいっぱいのチョコレートを尊の部屋に運び込んでから、尊が言った。
思いもよらぬ提案に、僕の思考は止まって、完全に固まってしまった。
「嫌ならいいんだけど」
「いや、その…なんで急に?」
「別に…なんかあるわけじゃないけど、なんとなくまた一緒に寝たいなって思って」
僕は表面上は冷静を装っているけど、心の中では激しく葛藤していた。
率直に言えば泊まりたい。
だけど、この想いがバレる恐怖と僕の理性が保てない気がしてならなくて、返事に迷う。
「母さんに聞いてみる」
そう言って逃げるように玄関に入った。
「おう」
尊の声が聞こえるか聞こえないかのところで玄関のドアが閉まった。


