あの頃はまだまだ幼い顔立ちが残っていたため袖を通せなかったが、高校にあがってからは芝田さんが来てくれる日はこの着物を着ることにしていた。




『そうと分かれば、早く仕度しなくちゃっ!』


私は手早くその着物を着つける。


『髪は…夜会巻きで…琥珀色の櫛でいっか!』


バタバタと慌ただしい感じではあったが、なんとか間に合った…。