「……で。あんたたち、建物の中で一体何があったのよ」


皆に合流した私とジョニーはにこりともせず
黙ったまま、別々の方向を向いていた。


ジュリーちゃんはため息をつき、片手でジョニーの耳を引っ張った。


「いででででっ?!何すんだよ、やめろ! 」

「どーせあんたが余計なことしたんでしょ。
ミライが彼女そっくりだからって、間違えて抱きついたりとかしてないでしょうね? 」

「ギクッ?!……し、してねえよ! 」



ふん。

そのまま耳までもげればいいさ。


というか私ってミラクに似てるんだね。

写真とかあったら見てみたい。



そして、ふと気になったことが一つ。



「ねえ皆。私とジョニーが出てくるまで、
ずっとここにいたの? 」



こんなに堂々と不法侵入してるのに、
やっぱり城の中にいるマーモンの手下たちが
襲ってくる気配は一向に無い。


「うん、そうだよ~っ」


マリーちゃんが答え、残りの三人も頷いた。



「ここの奴らは普通じゃねえからなー。
今は実験棟にしか悪魔はいねえはずだぜ」


もともと薄紅色だったけど、ジュリーちゃんに引っ張られて更に赤くなった耳をさすりながら、ジョニーは呆れた様子でそう言った。


「つーかお前らはどうやってここまで来たんだよ! 」

「ツバサ先輩の龍に乗って来たのよ。どうやって入手したのかは知らないけれど。
ジョニーの分は無いから自力で飛んでね」

「それって酷くね?! 」

「とにかく、目的は達成したからこんな所
さっさと出ましょう。何だか嫌な予感がするわ」