「あ、穂佳ー。遅いよー。」

「…えへへ。ごめんね?」

ちょっと、不自然かな?なんて、思ってたら、

「もー。授業始まっちゃうぞー。」

なんて、気付かれなかった。良かった…。




キーンコーンカーンコーン


終わりのチャイム。さっきの授業で最後なの。

海音は、用事があるから先に帰るみたい。


「んー!疲れたぁー。」

鞄を持つと、

「ねー。天野さんいるー?」

「え?…あ、佐野君?どうしたの?」


さっきぶつかっちゃった人。

「あー。急に走ってどこか行ったから、どうしたのかなって。」

「あっ、ごめんなさい。勝手に…」

反省、しないとね。

「ふふ、大丈夫なんだね?なら、いいや。」

この人、笑った顔、綺麗だな。
安心する。