そんなさみしい顔なんて見ていたくなくて。
ムダに元気にこう言った。
春山くんにバカだなと笑われてもいいから。
春山くんが少しでもさみしくなくなるなら。
「じゃあ、私の明日からの目標は
春山くんの大切なメガネを取ること!」
「は?何言ってるの?」
「春山くんの素顔が気になります。」
「絶対見せないから。」
「絶対見てやる!!!!」
つんとすました顔で本を開ける春山くんに俄然闘志が燃えた。
「上等だ、春山ぁぁぁ〜!」
「うん。
かかってこい、椎名小雪さん。」
この時、下の名前を覚えててくれたのにキュンとしたのは内緒で。
とりあえず、私と春山くんの戦いが始まった。

