春山くんは、マスクにメガネという地味な格好。
私は私はその黒縁メガネから覗く目が好きだ。
透き通った茶色で何もかも見透かしてるような、そんな目。
「そんなに綺麗かな?僕の目。」
「うん!………えっ?!」
え、え、春山くんてもしかしてエスパーなの?!
透き通った目で本当に見透かされてた!
「いやいや、椎名さん。
ずっと声に出てるからだよ。」
「えぇっ!そうだった?!」
ふふっと細められた目はやっぱり私の好きな目で。
なんだか見惚れてしまった。
「春山くんの目はとっても綺麗だよ。
なんでメガネしてるの?
もったいない!」
「目が悪いから。」
「じゃあ、コンタクトとか?」
「ゴロゴロする。」
「えーもったいない!」
苦笑いを浮かべた(ように感じた)春山くんの目は何だかとてもさみしそうだった。

