「ただいまー。」

お母さんとお父さんは働いていて、
夜遅くに帰ってくるの。

〜♪

「あれ、由紀からだ…。」

電話をあまりしない由紀からで、ちょっと不思議に思いながら、

「はーい!どうしたの??珍しいね!」

「畑山、知らない女と、歩いてる。」

「…え?」


そのあとは何をしたのか忘れちゃった。



「美織…!!」

今日は休み。だから、由紀にしっかり聞こうと思って、駅前のカフェにいるの。

「由紀…。」

「…昨日のこと、言うからね?」

私は無言で頷いた。

「昨日彼氏と帰ってたら、知らない女と畑山が一緒に歩いてたの。腕も、組んでた。…でも、あれって…」

「あ、あの、ありがとね、教えてくれて!」

由紀が何か言おうとしてたけど、それを遮ってお礼を言ったの。
正直に言うと、もう聞きたくなかった。

ふと、目線をそらした時、私、見えたの。
楽しそうな畑山君と、綺麗な女の人…。

「ねえ、あの人ってやっぱり…って、美織!?」

もう、耐えれなかった。
私は…走って逃げた。

「畑山君に、聞かないと…。」