少し道が開けたところ。
声の主はいた。
――女の子。

「どうしたの?」

僕は女の子がおびえない様にそっとそっと声をかけた。

「……?!」

女の子は驚いた様子で僕の方に振り返った。

「大丈夫だよ。僕はアル。君は?」
驚かせないように女の子に笑いかける。

「…私はルナ……」
女の子はか細い声でそういった。

「迷子?」
僕の問いにルナはコクリと頷いた。

「僕の家においで。一緒に遊ぼう」
僕が手を差し出すと、ルナは笑顔でその手を取ってくれた。