「そういえばあれから高平は?大丈夫なの?」

「ああ・・うん、全然。何にも無いよ!」

「ならいいけど」

「高平くんいい子だもん」


「は?」


「授業では助けてくれるし、成績もいいしね。あ、でも白河くんも科学は得意よね!
いつも成績優秀だし」


(俺のことはどうでもいい)


「いや、だからってあいつおかしいだろ。先生をどうしようとしてるわけ?」

「どうって・・・・?」

「あのさ、先生ちょっと隙ありすぎるんじゃない?」

「スキ?」

「そ、だから高平みたいなやつにつけ込まれるんだよ」


「ああ・・・・そうかもねえ・・・・・教頭先生にも言われたなあ。
あなた自身に問題があるって。高平くんにもそれっぽいこと言われたし」


素直に反応する咲はやっぱり隙だらけで、

どこかふわふわとしていると慧は思う



なんとなく腹が立った。



「そうやって危機感無くて、あんなことされてもいい子なんて言って」

「でも、本当にそうなのよ。どんなことされても、結局はみんないい子で・・・」



慧は無意識に椅子から立ち上がって咲の前に立つ。



「?」

「だけど・・・男の力には先生絶対かなわないでしょ」

言葉が出ない。


「そんなに細い腕で・・・」

「・・しらかわく・・・・」



コーヒーを持っていない方の手を咲の首へ近づける。



「細い首で・・・・どんなことされてもなんて言うなよ」



それは細くて白くて、簡単にどうにでもできそうだった。

喉元に触れる寸前で手を引く。