お互い何も身につけないまま、腕の中でまどろむ姫華の頭を撫でる。





そうしていると慧は少しだけ昔を思い出した。

姫華も自分も、まだほんの小さい子供だった頃。





一体なぜこうなってしまったのか・・・・・



―慧がいないなら、生きてる意味無いから・・・・



中学に入った頃から身長が伸びた。

それと同時に女の子から向けられる視線が変わっていった。

告白されることが増えたけど、好きになれるような子はいなかった。




2年になるとひとつ年下の幼馴染、姫華が入学してきた。

ものすごく目立つ容姿の姫華は、幼馴染の気安さそのままに俺に接した。



そのことで女子に目を付けられていたけれど、

姫華にはなぜそうされるのかが分からなかった。




―幼馴染だかなんだか知らないけど、2年の教室うろちょろしないでくれる?

―てか、別に彼女でもないのに馴れ馴れしいし




あの時はなんでだったか・・・・


放課後、姫華の教室に行った事があった。