「え、えーと、伊吹君部活は?」


無理矢理話しをそらしてみる。


「俺、足ねんざしちゃって。篠原先輩、テーピングお願いできますか?」


私の知ってる天使の笑顔を見せる伊吹君。

それにキュンとしちゃう私って、我ながらバカだと思う。

「大丈夫?見せて?」

「なーんて、そんなわけねーじゃん」


べーっと舌を出す伊吹君は天使のかけらもない。

悪魔だ……。

100歩ゆずって小悪魔にしておこう。


「って、それってサボりじゃない。早く戻りなさいよ」

「んな堅いこと言わないでくださいよ」