10年前の俺は6歳だった。


「パパ、どこに行くの?」

「パパの大好きな場所だよ。翔も行くかい?」

「うん!」


父親に手を引かれ、行った場所はサッカー場だった。


「翔。サッカーを知っているかい?」

「うん!」


親父がいつもテレビでサッカーを見ていたから、サッカーのことは知っていた。

選手たちが入ってきた。


「わぁ、あの人、僕知ってるよ!篠原選手だよね!」