化粧なんかしなくても充分いいけど、今日の先輩はプルプルの唇に長い睫毛、うるっとした大きな目。 「……」 「伊吹君?」 先輩の声にはっとなる。 「どうしたの?具合悪い?」 心配そうに上目づかいで俺の顔を覗き込む。 「え?あ、いや、なんでもないです。行きましょう」 「あ、うん」