ぐうぜん彼氏。


はあ…

「すぐ帰るからね。」

「由里ありがとう!!」


まあ、雰囲気悪くするのは
さすがに嫌だしね…


春菜的立場の人の名前は
佑真というらしい。


その佑真君が仕切って
一人一人名前を言っていって
料理を頼みながら話も進んでいた。




でも相変わらず
啓太はあたしの方を見ようともしないし
他人のフリを続けてくる。



「じゃあ質問タイムね!誰か質問ある人~!」と仕切る佑真君。

「はいはいはーい!みんな彼女いますか?」

と春菜が元気に質問していた。


…啓太はどうこたえるのかな?

「いないよ。居たらこないって!」

その佑真君の言葉に頷く男子達。



「啓太君もいないですか?」

ひとりの女子が
目を輝かせてそう聞いた。



…お願い。
居るって言ってよ。


「…いねえよ。」






うそ…で…しょ?



いるじゃん。
目の前に。


なんで?
あの女の子絶対啓太狙ってるよ?
現に今喜んでるし。



「…ふざけんなよ。」ボソッ

誰にも聞こえないくらいの小声で
そして誰にもバレないように
トイレに逃げよう。


「じゃあ、今度は俺たちね!
女子のみんな彼氏は…」

「ご!ごめん!
ちょっとトイレ言ってくるね!」




そう話を遮ってトイレにダッシュ。
だってもたなかったんだもん。


「なんで嘘つくの…?」グスッ


化粧してるため
目をこするわけにもいかなく
ハンカチで必死に
メイクがとれないようおさえる。



…はあ。戻りたくないな。
帰ろうかな。