俺、お前に惚れてんだけど。



放課後、掃除が終わって教室に戻るとほとんどのクラスメイトが帰った後だった。



「おかえり、志帆。今日の帰りどっか寄ってかない?」



すでに帰り仕度を終えた里緒が、肩にカバンをかけてあたしの席までやって来る。



「いいけど、木下星矢は?一緒に帰らなくていいの?」



いつもは一緒に帰ってるから、当日に誘われるなんて珍しいことだった。



「いいのいいの。あたしだってたまには志帆と遊びたいし」



自慢のゆるふわウェーブの髪に指を巻きつけながら、里緒は照れくさそうにニコッとはにかんだ。