久間君は何がしたいのか全然わからない。
しれっとしてまったく悪びれる様子もなく、目だけでこっちを見る久間君。
彼はフッと笑うと、何事もなかったように前を向いて授業を受け始めた。
なんだかバカにされてるようですごくムカつく。
完全に奴のペースに巻き込まれてるし。
だけど、ここでイライラしてエネルギーを消費するのもバカバカしい。
まともに向き合うだけムダだよね。
深く関わらなかったら、どうってことはないはず。
そう……どうってことは。
「そう怒るなって。志帆の反応が可愛いから、ついからかいたくなったんだよ」
「ウソだ。絶対楽しんでた」
「まぁ実際はな。けど、志帆といるとマジ飽きねーから楽しい」
「…………」
もう、何も言うまい。



