「とにかく。否定すればするほど、誰も信じねーってことをよく覚えとけよな。ウワサは広まる一方だぞ」 ニヤリとほくそ笑む久間君の笑顔が憎らしい。 今まで猫を被っていただけだったなんて。 見抜けなかったあたしは大バカだよ。 「久間君が否定してくれたら、一発で誤解がとけるんだからそうしてよ!」 スタスタと歩き出した久間君の腕を掴んで引き止める。 何がなんでも、早くそうしてもらわなきゃ困る。 強く掴んだままでいると、久間君はようやく足を止めた。