いやいや、冗談を真に受けちゃダメ。
こんなの本気で言ってるわけじゃないんだから。
あの時みたいに、またからかってるだけなんだから。
からかって、あたしの反応を見て楽しんでるだけ。
真に受けるだけ、バカをみるのはあたしの方。
「はは、そりゃどうも」
冷めた目でそう返す。
お母さんがいるわけでもあるまいし、こんなところに来てまで取り繕う必要なんかないのに。
猫を被る必要もないのに、そんなことを言うのはやめてくれ。
キリッとしたクールな瞳と、薄っぺらい色気の漂う唇。
無造作にセットされた髪が、久間君の魅力を引き出していることには気付かないフリをする。
普通、こんなところでそんなこと言わないし。
どれだけ自分に自信があるんだよ。
前を向いてスルーを決め込んだ。
この人と話してると、真田君を思い出してムカついて来る。



