「ありえねー」



「…………」



「マジでないわー」



そう言われても、知らないものは知らないんだから仕方ない。


ちょっとカッコ良いからって、有名人気取りなわけ?


『モテる俺のことを、知らない女なんているわけねーし』的な感じで思ってるとか?


だったらお門違いもいいところ。


クラスの女子が、全員あなたを知ってると思ったら大間違いなんだからねっ!



内心そんな風に思いながらも、マジマジと顔を見つめながら記憶を辿る。



だけど、やっぱりわからない。



「久間晴斗」



「へ?」



「俺の名前」



ク、クマ……?


熊……?