「俺、全力で攻めるって言わなかったっけ?」



なぜか怒ってるらしい晴斗は、腕の力を緩めようとせずにさらに顔をグッと近付けて来る。



ドキンドキンと胸が高鳴って、頬に熱を帯び始める。


至近距離で目を合わせられなくて、思わず視線を外した。



「昼間一緒にいた奴って元彼だろ?ヨリ戻すんだ?」



こんなに怒っている晴斗は初めてで。


耳元で囁かれる熱のこもった声に、ありえないくらい鼓動が速くなった。



「なぁ。聞いてんの?ヨリ、戻すんだ?」



目を合わせないようにしようとすればするほど、晴斗の視線が追って来る。


刺すほど見られて、穴が開いてしまいそう。