音楽が鳴って、こっちからも向こう側からも人が動き出す。
あたし達も波に乗って、どちらからともなく歩き出した。
ヤバいよ。
早く言わなきゃ。
「で、続きは?」
「え、あ、うん……実は、あたし久間君と」
恥ずかしくなって下を向く。
繋がった手から、想いが伝われば楽なのに。
ーーグイッ
言いかけた瞬間、繋いでいた手が勢い良く引っ張られた。
ビックリして顔を上げると、向こう側から来たサラリーマンがすぐそばを通り過ぎて行った。
「ったく、前見て歩けよな。ぶつかるとこだっただろ」
「ご、ごめん……っ」
ドクンドクンとありえないくらい鼓動が速い。



