幸いにも目の前の信号は赤だから、時間はまだある。
早く青になって欲しいような、なって欲しくないような。
「なんなんだよ?」
「えっ!?いや、あの……っ」
眉をひそめながら晴斗はあたしを横目に見る。
その視線にあたふたして、もはやパニック状態。
今さら……彼女になりたいなんてあたしからは言えないよ。
ど、どうしよう……。
「何慌ててんだよ?明らかに挙動不審だけど」
「へ!?あ、ほ、ほらっ!今日はいい天気だなぁって」
空を見上げて何とか誤魔化す。
「はぁ?めっちゃ曇ってんじゃねーか」
うっ。
そうでした。
今日は朝からずっと曇り。
「なに?思ってることがあんだったら、はっきり言えよ」
「う、うん……あ、あのね」
ちょうどその時、タイミングが良いのか悪いのか信号が青に変わった。



