夕暮れの中、学校を出て久間君と並んで歩く。
沈黙が気まずくて、さっきからちらちら見てしまってばかり。
久間君は涼しげな顔で飄々と歩いていた。
「そ、そういえば……!久間君ってバイトしてるんだね」
「ん?あー、そうだな」
「大変?」
「いや、平日はそこまで忙しくねーよ。平日の夜のファミレスは、高校生とか大学生しか来ねーし」
「そっか。ファミレスでバイトしてるんだ」
本当は奏太から聞いて知ってたけど、知らないフリをした。
経済的に厳しいから、朝も新聞配達をしてるって奏太が言ってたっけ。
私立の高校に入らず、一般の公立高校に来たのだって家のことが原因で。
きっと、あたしなんかより色々悩んで苦労してるんだよね。
今まで苦労なく生きて来たあたしって、実は恵まれてたんだ。
恥ずかしいけど、そんなことを今思い知った。



