「あっそ」
ヤバい。
そう思った時には遅かった。
久間君は冷たくそう吐き捨てると、あたしから目をそらして前を向いてしまった。
その横顔は今まで見たことがないくらい不機嫌で。
怒らせた。
これでもう、完璧に嫌われちゃったかもしれない。
そう思うと涙がこぼれそうになって、下唇をグッと噛み締めてうつむいた。
HRと掃除が終わって教室に戻ると、久間君と田野さんの姿はすでになくて。
きっと……カラオケに行ったんだよね。
ーーズキッ
そう思うと、胸の奥が深く締め付けられて苦しかった。
バカだ……。
どうして素直に嫌だって言わなかったんだろう。
あたしの……大バカ。



