「仕方ねー。少しだけだからな。それに、いざとなったら考えが変わるかも」



「いいよいいよ、それでもいいよ!」



久間君……行くの?


いつも適当に断ってたのを知ってたから、今日の曖昧な反応は意外だった。



行くかもってことだよね。


……行かないでよ。


やだよ。



「じゃあ掃除が終わったら教室で待っててね〜!」



ギャルの田野さんは、来るもんだと決め付けて浮かれ気味で自分の席へと戻って行く。


その途中で目が合い、勝ち誇ったような顔でクスッと笑われた。


『勝った』


そう言われた気分だった。



ヤバい。


なんか泣きそう。


このまま久間君があたしから離れて行くんじゃないかって考えたら、どうしようもなく苦しくて胸が痛む。



好きなのに……。


嫌だよ。