俺、お前に惚れてんだけど。



拳をグッと握り締め大きな声で叫んだ。



「あたし、もう二度と恋なんかしないっ!」



もう決めた。


あんなことがあって、この先男の人を信じられそうにない。


何より……人を信じるのが怖くなった。


またあんなことを言われたら、今度こそ立ち直れなくなりそうだから。


それなら、この先恋をしない道をあたしは選ぶ。



「二度と恋をしないって……それもどうよ?4月から花の女子高生なのに」



「いいじゃん、志帆がそうしたいって言うんなら」



杏が苦笑いを浮かべて、真美はにっこり頷いてくれた。



付き合ったのはたった1ヶ月くらいだったけど、告白された時の緊張感とかドキドキとかその夜眠れなかったことを2人には話してあったから、心配してくれているということはひしひし感じる。



真田君は見かけだけの優しさで取り繕っていたのかもしれないけど、ドキドキしたあたしがいたことは確かだった。


恋……してたんだと思う。