「木下星矢の夢に、なんであたしが付き合わなきゃなんないの?」



「うわー、冷てー!」



そんなにダブルデートがしたいなら、他の友達とすればいいじゃん!


なんて思ってしまったあたしは、やっぱり可愛くないよね。



「近すぎ」



聞き覚えのある声に、ドキッと胸が高鳴った。



「お、おい!引っ張っるなって」



「うっせー、志帆に近寄るな」



その瞬間近くにあった木下星矢の顔が離れて、代わりに不機嫌そうな久間君が顔を見せる。



久間君は木下星矢の首根っこを掴んで、あたしの前から引き離した。



里緒はその光景をクスクス笑いながら見ていたけど、あたしは久間君の言葉に思わずうつむいてしまった。