「志帆、大丈夫?」 眉を下げた杏の心配そうな顔が目の前にグイッと寄せられる。 「あんたは強そうに見えて弱いんだから、今ここで全部吐き出していいよ」 「杏……真美……っ」 2人はいつだってあたしの味方でいてくれる。 あたしという奴を理解して、心の内を読み取って欲しい言葉をくれる。 あーあ。 もうあたし、この2人がいればそれでいいや。 あたしの身に起こったことを、自分のことのように考えて怒ってくれて……。 心の底から心配してくれる。 そんな人が他にいる? 「決めたっ!」