「……まぁね。あれほど美味しい食べ物はないし」
聞かれたら、ついつい素直に答えてしまうあたし。
「ならさぁ、今度にんにくが有名な店探しとくから一緒に行かねー?」
はぁ!?
何言っちゃってんの!?
にんにくのお店を探しとく?
いやいや、ちょっと待って!
ゲンメツしてないの?
「俺もにんにく好きだし。姉ちゃんの希望で家でにんにく抜きのギョーザが出るんだけどさ、にんにくが入ってねーとギョーザとは言わねーよな」
なんで……そんなに楽しそうに笑えるの?
デートでにんにく食べちゃうような奴だよ?
嫌じゃ……ないの?
それとも、合わせてくれてるだけ?
でも、そんなことをしてもなんのメリットもないのに。
もしかして本当にあたしのことを……?
「ムリして可愛く着飾る女より、そうやって自分の好きなモン食う女の方が俺は好きだし」
あたしの心情を読み取ったかのように、頬を掻きながら久間君が言った。



