いや、もうあれは消し去りたい過去だからいいんだけどね。 「決まったのかよ?」 メニューを凝視するあたしに、久間君が言う。 ハッとしたあたしは、小さく首を縦に振った。 久間君はボタンを押して店員さんを呼ぶ。 「ご注文をお伺いします」 「どれ?」 久間君があたしに聞いて来る。 「これ」 メニューに指をさして伝えた。 「にんにくたっぷりスパイスパスタの大盛りと、ナスとチーズのミートソースパスタの大盛りで」 「かしこまりました。それでは失礼致します」