ーーガシッ 「ちょっ、何すんのよ……」 勢い良く腕を掴まれて、その胸の中に引き寄せられる。 抱えていた日記帳が手からスルリと滑り落ちた。 「は、離して」 「ムリ」 「ふざけないでよ……」 どうせ、またからかってるんでしょ? 笑えばいいじゃん。 あたしなんかに彼氏がいたことがビックリだって。 意地っ張りでか弱くないから振られるんだって。 もうちょっと女らしくなれって憎まれ口を叩けばいい。 笑えばいい。 そんなことには、もう慣れっこなんだから。