扉を開けると、ボス『封印の化身』が待ち構えていた。

《愚かな、封印を解くことが何を招くかわかっているのか?どうしてもというのであれば私を倒してみるが良い》

歯切れの悪いコメントを残すボスだ。どちらにせよ俺たちにはこいつを倒すという選択肢しかない。

「やろう」

戦闘は思った以上にスムーズに進んだ。たけるの攻撃が面白いようにクリティカルをだす。

「うおおおお!気持ちいいい!!」

ボスに攻撃しながらたけるは喋り続ける。
さすがのアリシアも攻撃に補助に忙しいようで口数が少ない。

そしてついに『封印の化身』を倒した。

《ぐあああ、私の全てを賭けた封印がお主ら如きに破られるとは。お主らは移動の自由を手に入れたかもしれない…しかし平和を失った事に気づくが良い…》

最後まで意味深な奴だ。

勝利の余韻に浸っているとセツが口を開いた。

「私、何してました?ちゃんとしてました?」

三人の気が一気に緩む。ちゃんとしてたし問題ないよ。回復ありがとうなど感謝の言葉が口々から聞こえる。

「良かった、無我夢中で真っ白でした!」

又してもアリシアのツボに入ったのだろう。可愛い可愛いと繰り返している。
俺を含めこの四人の出会いがドラナイと現実を繋げてくれるとても大切なものだった。