「よーし、これだけレベル上がればいけるでしょ!チームワークだってバッチリだし♪」

確かにそうかもしれない、はじめはたどたどしかった俺たちの戦いは回数を重ねるごとに連携が取れるようになっていた。

ゲーム自体初心者のセツですら、魔法を繰り出すことが出来るようになっていた。

「セツさんセンスいいんじゃない?俺よりよっぽど上達早いよ。」

俺が声をかけると褒められることが満更でもないような素振りをみせる。

「よし、じゃあ行くか!封印に俺の鉄拳を…」

「みんなスキルはしっかり割り振った?」

アリシアに言われスキルを見直してみる。
このスキルというものは、自分の能力を際立たせるエッセンスの様なものだ。

例えば、俺は剣と盾にスキルを振ることでその技術を。たけるは素手のスキル。アリシアは弓と補助魔法。セツは回復と攻撃魔法。
このように各々のキャラクターを特徴付けていくのだ。

皆確認を終えるといよいよ洞窟へ向かうことにした。

ここであることを思い出した。城田、キャスルはどうしただろう。

「みんなちょっと待って!」

皆を呼び止めキャスルに調子はどうかと尋ねてみる。

「あ、レンジくん。僕ね封印の洞窟の中だよー!そろそろボスなんだ。先に倒すのは僕だね。」

キャスルを少し侮っていた。昼間阿部雪菜から逃げたように、なかなか声もかけらず困っているとばかり思っていたのだ。

「負けませんよ!」

と、告げると仲間と共に洞窟へ向かった。